🌕十日夜と十三夜と中秋の名月と薄明光線🌇

🌔十日夜🎑

　旧暦の10月10日を、十日夜（とおかんや／とおかや）と呼びます。昔の人々は十日夜の日になると、秋の収穫を神様に感謝し「来年も豊かな実りを授けてください」と願いをかけました。

 　また十日夜は、中秋の名月（十五夜）と十三夜に続く、3回目の月見の日でもあります。 古来よりお月見の風習のある中秋の名月（十五夜）、十三夜、そして10月10日の十日夜の3日を併せて、「三月見（さんつきみ）」と呼びます。この3日ともお月見をすると縁起が良い、3夜とも晴れると良いことが起きるなどとも言い伝えられているのです。 このように、十日夜に3回目のお月見をする慣習があることから、十日夜の月は「三の月」とも言い表されます。

 　十日夜は、日本全国で行われてきた行事ではありません。十日夜の風習があるのは、関東地方や甲信越地方を中心とした東日本です。今年はきょう11月10日が十日夜なのですが朝から曇り空でした。でも日課の散歩の時間帯にわずかな時間だけ顔を出してくれました。午後3時半の白い月ですが愛でることが出来ましたとさ。

🌕スーパームーン🌕

　ブログタイトルにはないですが、10月17日に2024年では最も地球から近い距離で満月となるスーパームーンが見られたので追加掲載します。スーパームーン当日の天候は曇りがちの天気でしたが、18時前後の時間帯は一時的に雲量が少なくて撮影には支障がありませんでした。

撮影日：2024年10月17日 18:21 「ひときわ明るいスーパーハンターズムーン」

　アメリカ農事暦では10月の満月をハンターズムーンと呼んでいます。なので「スーパーハンターズムーン」になります。満月は見た目には明るくて華やかで綺麗ですが、その物だけを写真に撮っても平坦で面白みに欠けます。ちょっと作為的ですが飛行機やヘリコプターあるいは野鳥を通過させたいところです。と、俗物的な発想が浮かぶ青ちゃんでした。

《下にアメリカ農事歴の「各月ごとの満月の名称」を載せた過去記事にリンクをはりました》

　URL　≪　https://iso-1954-ym.amebaownd.com/posts/39710339　≫

　1年に12～13回見える満月のうちで、最も大きく見える満月のことを『スーパームーン』と呼ぶことがあります。国立天文台によると、2024年最小の満月（2月24日）と比較すると、10月17日の満月は見かけの直径が約14%大きく見えるとのことです。ただ、写真などで比較しない限り見た目の大きさを実感するのは難しいですね。なのでウェザーニュースからのイメージ図を拝借します。

　出典： ウェザーニュース2024年10月17日 10時19分JST

🌔十三夜🎑

　お月見といえば旧暦8月15日（2024年は9月17日）の「十五夜」が有名なので、「十三夜（じゅうさんや）」はかなり地味な扱いに感じます。 「十三夜」は「十五夜」に次いで美しい月とされて（誰が決めたんでしょう。）いて、栗や豆の収穫期に当たるため「栗名月」「豆名月」とも呼ばれているそうです。「十三夜」は旧暦の9月13日で2024年は10月15日で火曜日でした。

　「十三夜」が庶民に広まったのは江戸時代のようで、陰の象徴である月は「お陰さま」に通じると考えられ、生きる糧である作物に感謝する旧暦９月の「収穫祭」の意味も込めてお月見をするようになったそうです。「十五夜」は中国唐代の観月の宴が起源とされていますが「十三夜」は日本固有の行事なんです。

　また、「十五夜」と「十三夜」の片方しか月見をしないと「片月見（または片見月）」として縁起が悪いという言い伝えもあるそうです。一方で、旧暦10月10日のお月見「十日夜（とおかんや）」もあわせた3日が晴天に恵まれると、とても縁起がいいとされています。

　そんな訳で「十三夜」の月も愛でに行ってきました。

撮影日：2024年10月15日　川口市荒川運動公園「ふな池に映る十三夜の月」

　あざとくも「ふな池」の近くに生えていたオギをススキに見立てて撮ってみました。

　拡大した月の写真はクレーターの陰影が目立ち満月と比べ荒涼とした感じに映ります。

🌖十六夜🎑

　「十六夜」は「いざよい」とも「じゅうろくや」とも読みますが、一般的には「いざよい」と読みます。そして日本的なきれいな響きが私は好きです。 十六夜とは新月から数えて16日目の夜、または見える月のことを指しますが、中秋の名月の「十五夜」と同様に、現在では旧暦8月16日の事を「十六夜」と言うようになりました。

　「十五夜」はそのまま「じゅうごや」と読むのに、どうして「十六夜」は「じゅうろくや」の他に「いざよい」と呼ぶのか不思議ですよね。 これは、「十六夜」が「十五夜」よりも約50分ほど遅くなって現れることが関係しています。 昔の人にはそれが月が姿を現すのを躊躇していると映り、ためらうという意味の「猶予（いざよ）い」という言葉を「十六夜」に当てたと言われています。

　今年は9月18日が「十六夜」に当たりますが、残念ながら天候に恵まれず撮る（愛でる）ことができませんでした。悪しからず。

🌝中秋の名月🎑

　2024年9月17日は旧暦の8月15日にあたります。旧暦では7～9月を秋としていて8月15日はちょうど秋の真ん中となるため中秋と呼んでいるそうです。そしてこの日に出る月のことを「中秋の名月」と言ってるんですね。また一般的にはこの日を「十五夜」とも言っています。旧暦では「十五夜」は毎月あるのですが、中秋の「十五夜」がいちばん美しいと言われることから「中秋の名月」が「十五夜」の代表と言うことなんでしょうか。

　ところで例年この時期になると秋めいて涼しさが感じられて来るのですが、今年の9月はずっと猛暑を引きずってます。そんな訳で暑さしのぎも兼ねて荒川の土手に「中秋の名月（十五夜）」を愛でに行ってみました。

　土手に着いたのは18時少し前。今日の月の出は東京近辺で17時24分くらいなのでかなり高い位置まで登っていました。月の出の様子を見たかったなと悔やみつつも、思い付きで出かけて来たのだから仕方ありません。とりあえず河川敷の荒川運動公園のラグビー場まで下りて、JRの東北本線荒川鉄橋を通過する電車と一緒に撮影してみました。

撮影日：2024年9月17日　「JR東北本線荒川鉄橋と中秋の名月」

　出始めの月は地球の大気を斜めに通って光が届くので、かなり黄色味が強く見えます。

　今年の「中秋の名月」はめぐり合わせで満月ではなく14日目の月です。なので月面の左側が僅かですが欠けた状態（下の写真左側の円弧に沿って見てください。）で姿を見せています。

　中秋の名月と言ってもただ丸いだけなので変わった写真は撮れません。適当なところで切り上げて帰ることにします。土手を登って降りようとしたところでもう一度月を眺めていると、月の右手から旅客機と思しき物が近づいて来ます。慌てて望遠ズームレンズ付きのカメラを取り出して待ちます。が、旅客機の航路をたどるとどうやら月の直ぐ下側を通過しそうな気配です。大慌てで近くにある階段を40～50段ほど下り、月が見えるぎりぎりの所で止まります。レンズを最大限ズームアップして月面にピントを合わせて待ちます。旅客機の黒い影が月面内の下方を通過し始めます。そしてシャッターを切りました・・・。

　撮影日：2024年9月17日18:17　「中秋の名月を横切るジェット旅客機」

☼薄明光線と反薄明光線☀

　中秋の名月を撮影中、月の左手に光のすじが走っているのに気付きました。これは一定の気象条件が整わないと見ることが出来ない「反薄明光線」と言われるレアな現象です。「薄明光線」と併せて画像を添えて解説します。

　撮影日：2024年9月17日18:02　「登る中秋の名月と反薄明光線」

薄明光線

（はくめいこうせん、英語: crepuscular rays）は、太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象の俗称。通常とは逆に、雲の切れ間から上空に向かって光が出ることもある。おもに、地上から見た太陽の角度が低くなる早朝や夕方に見られる。世界中の人々の間で美しい自然現象と認識されており、写真撮影における人気も高い。

「薄明光線」には別名が多数あります。気象現象としては「薄明光線」ですが

・光芒

・天使の梯子（てんしのはしご、angel's ladder） 

・天使の階段（angel's stairs, angel's stairway） 

・ゴッドレイ（God Ray） 

・ヤコブの梯子（Jacob's ladder） 

・レンブラント光線

晩年の開高健は、しばしばテレビなどで好んで「レンブラント光線」という言葉を口にしたそうです。また宮沢賢治はこの現象を「光のパイプオルガン」と表現しています。

　出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

撮影日：2024年9月13日　「地上を照らす薄明光線」

撮影日：2024年9月22日　「天上に伸びる薄明光線」

反薄明光線

（はんはくめいこうせん、英語: anticrepuscular rays）は、太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、太陽と正反対の方向に光線の柱（光芒）が放射状に収束して見える現象。太陽の周囲にできる薄明光線とは逆。裏後光（うらごこう）、裏御光（うらごこう）とも呼ぶ。

　出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

撮影日：2024年9月13日　「夕暮れに現れた東空に収束する反薄明光線」

　これほどはっきりとした「反薄明光線」を見たのは初めてで、何か不思議な世界に迷い込んでしまったような感じです。「災厄の前兆」あるいは「幸運の兆し」と感じる人がいるかもしれませんね。